【中国】労災以外のケガ、病気による死亡弔慰待遇について

1. 制度概要
従業員が死亡した際に、労災保険適用内と認定された場合、労災保険基金及び使用者が補償を提供することが定められているが、労災保険適用外と認定された場合は、養老保険基金*1及び使用者側から補償を提供することとなる。

2. 補償金額
広州市・佛山市・中山市・東莞市・深セン市について、養老保険基金及び使用者が支払う補償金額はそれぞれ以下の通り。*2

補償金額(広州市)
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(注1)平均給与=死亡時における広州市前年度都市非民営企業在職従業員の月平均給与。東莞市、佛山市、中山市、深セン市も同様にそれぞれ当地前年度都市非民営企業在職従業員の月平均給与。
(注2)補償金額に加え、当該従業員の養老保険個人口座残額が遺族に返還される。東莞市、佛山市、中山市、深セン市も同様。
(注3)規定によると「社会保険(養老保険基金)が支払う部分以外を使用者が支払う」となっており、使用者負担部分が何を指すかは不明確。広州市人力資源・社会保障局へのヒアリング(最終確認日:2017年3月31日)によると、「扶養遺族救済金」が使用者負担部分であり、使用者はこれを必ず支払わねばならないとの見解。

補償金額(佛山市)
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(注4)佛山市人力資源・社会保障局へのヒアリング(最終確認日:2017年4月1日)によると、使用者は「扶養遺族救済金」を支払わなければならないとの見解。

補償金額(中山市)
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(注5)中山市人力資源・社会保障局へのヒアリング(最終確認日:2017年3月31日)によると、使用者は「扶養遺族救済金」を支払わなければならないとの見解。

補償金額(東莞市)
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(注6)東莞市人力資源・社会保障局へのヒアリング(最終確認日:2017年3月31日)によると、「葬儀補助金」及び「見舞金」を養老保険基金が支払うが、「扶養遺族救済金」については養老保険基金・使用者ともに支払う必要は無いとの見解。東莞市当局の見解が他の3都市(広州市、佛山市、中山市)各当局の見解と異なる点について、上級機関である広東省人力資源・社会保障局へヒアリングしたが、適切な回答は得られなかった(最終確認日:2017年3月31日)。

補償金額(深セン市)
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(注7)深セン市の規定*5では、当地において養老保険を6ヶ月以上納付した従業員の死亡時に葬儀補助金を支払うとされている。
(注8)深セン市では遺族の定義を「死亡した従業員に扶養されていた配偶者、子女、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹」と明確化しており、且つ下記の条件のいずれかに当てはまる遺族について、その人数に応じ上記表に基づき見舞金を支払うとしている。*5 *6
(1) 労働能力を完全に喪失した者
(2) 男性60歳以上、女性55歳以上の配偶者
(3) 男性60歳以上、女性55歳以上の父母
(4) 18歳未満の子女
(5) 父母がともに既に亡くなっている場合、男性60歳以上、女性55歳以上の祖父母
(6) 父母がともに既に亡くなっている場合、18歳未満の兄弟姉妹
尚、この点について広州市・佛山市・中山市・東莞市各人力資源・社会保障局へのヒアリング時にはそのような見解は得ておらず、上記各都市の表に基づき固定の金額を遺族の代表者に支払うとの見解で、それに基づき運用がされている。
(注9)深セン市人力資源・社会保障局へのヒアリング(最終確認日:2017年5月5日)によると、「葬儀補助金」及び「見舞金」を養老保険基金が支払うが、「扶養遺族救済金」については養老保険基金・使用者ともに支払う必要は無いとの見解。

3. 現行規定のまとめ(国家と広東省)
国家と広東省における現行の根拠規定は以下の通り。

番号

時期

規定情報

URL

*1

2011/7

『中人民共和国社会保』【主席令第35号】17

原文

*2

1997/4

『广省企业职工假期待遇死亡恤待遇』【1997115号】第10

原文

*3

2016/7

『关于公布2016社会保年度企业职工基本养老保险缴费上限和下限的通知』【粤人社函〔20162861号】

原文

*4

2011/7

施《中人民共和国社会保法》若干』【人力源和社会保障部令】第6

原文

*5

2014/1

『《深圳经济特区社会养老保条例》细则』第22

原文

*6

2004/1

『因工死亡工供养属范围规定』【劳动和社会保障部令第18号】23

原文

(2017年5月作成)

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