【中国】香港マカオ台湾居民居住証について

中国内地に居住する香港・マカオ・台湾人が中国各地の公安局にて居住証を申請受領することができるようになる、《香港マカオ台湾居民居住証申請受領発行弁法》(原文、2018年9月1日施行)が発布されました。これにより、これまで香港・マカオ・台湾人は中国大陸での就労に当たり必要であった就労許可手続きが今後不要になるほか、社会保険加入や就学・医療などの社会保障や、鉄道・飛行機・ホテル手続きや銀行・保険等金融業務などでも、香港マカオ台湾居民居住証により、中国人の身分証と同様に可能となります。これらの運用は、2015年に制定、発布された、地元戸籍の無い住民が居住証を申請受領し公共サービスを享受できることを規定した《居住証暫定条例》(原文)に基づくとされています。

1. 定義
● 香港マカオ台湾居民居住証には、香港マカオ居民居住証と、台湾居民居住証を含む。
● 香港マカオ居民:香港/マカオ特別行政区に定住し且つ内地の戸籍を保有しない中国公民。
● 台湾居民:台湾地区に定住し、大陸戸籍を保有しない中国公民。
● “香港マカオ台湾居民出入境証書”とは、香港マカオ居民往復内地通行証と、5年有効台湾居民往復大陸通行証を指す。(以上第19条)

2. 申請条件
半年以上内地(大陸)に居住する香港マカオ台湾居民で、合法で安定的な就労、住所、連続就学条件のいずれかがある場合に、本人が希望する場合、本弁法の規定に基づき居住証を申請・取得できる。16歳未満の者は保護者より申請を代理手続きできる。(第2条)

3. 居住証の内容
● 制作と発行:公安部国務院香港マカオ事務弁公室・台湾事務弁公室がデザインを制定、省レベル政府公安機関が統一して制作し、県レベル政府公安機関が発行。(第6~8条)
● 有効期間:5年 (第6条)
● 記載内容(カード上の記載と、機械読み取り情報を含む):姓名、性別、生年月日、居住地住所、公民身分番号、本人写真、指紋情報、有効期限、発行機関、発行回数、香港マカオ居民出入境証書番号。(第3条、第7条)

4. 申請方法(第8条)
《香港マカオ台湾居民居住証申請受領登記表》を記入、本人の香港マカオ台湾居民出入境証書を提示。
居住地の公安局派出所或は居住証手続き窓口で、住所、就業、就学の証明資料を提出。

● 住所証明とは:賃貸契約、不動産権利証書、不動産売買契約或は貸手/雇用企業/学校発行宿
舎証明等の資料。
● 就業証明とは:雇用企業の営業許可証、労働契約、雇用企業発行の労働関係証明書他合法安
定就業を証明できる資料。
● 就学証明とは:学生証、学校発行のその他連続就学を証明できる資料。

5. 更新・紛失・居住地変更(第9条)
● 居住証の有効期限、証書の毀損、居住地変更の場合、証書の新発行を申請できる。
● 証書の紛失に対し、再発行を申請できる。
● 証書を更新・再発行する際、元の証書は返却する。

6. 手続き所要日数(第10条)・費用(第17条)
● 新規・更新・再発行の所要日数は公安機関受理の日から20営業日以内。交通が不便な地域は
更に10営業日まで延長する可能性がある。
● 初回の証書発行時、行政手数料は不要だが、再発行・更新時には発行手数料が発生する。

7. 享受できる公共サービスと便宜
● 公共サービス:義務教育、就業サービス、衛生サービス、文化体育サービス、法律援助及びその他の法律サービス、国家及び居住地が規定するその他の基本公共サービス。
● 便宜:飛行機、鉄道などの手続き、ホテル宿泊、銀行・保険・証券等の金融業務、公園・体育館入場券、文化娯楽等消費活動、自動車登録、自動車免許、職業資格試験と資格授与、生育服務登記、国家及び居住地が規定するその他の便宜。(以上第12条及び13条)

8. 違反行為等
《居住証暫定条例》に基づき処罰する。

 (2018年8月作成)

※各地の運用状況が異なる場合があります。実際の状況につきましては各所在地にて再度ご確認ください。
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