【中国】広東省都市従業員基本養老保険の企業負担料率の過度的措置について

1. 概要

国務院は2019年4月1日付けで『国務院弁公室の社会保険料率引下総合方法の印刷発行に関する通知』(原文)を公布し、この中では、都市従業員基本養老保険の企業負担保険料率(機関事業単位を含む)が16%より高い省・自治区・直轄市等は、2019年5月1日より16%に引き下げること、一方、16%より低い省・自治区・直轄市等は16%への段階的な引き上げのためこれに関する過度的措置を講じることを求めている。

広東省は企業負担保険料率が16%より低く、今般、これに関し、広東省人力資源社会保障局、広東省財政局、国家税務総局広東省税務局より『都市従業員基本養老保険の企業負担料率の過度的措置について』(原文)が発表された。

2. 主な内容

一、行政部門負担の養老保険料率の引下げについて
2019年5月1日より、全省機関事業単位(行政機関及び公的組織)の養老保険料率を20%から16%に引き下げる。

二、企業従業員養老保険料率の段階的引き上げについて
企業負担保険料率が13%の都市について、2020年の年末前に14%への引き上げを行う。具体的な実施時期は、各市の人力資源・社会保障、財政、税務部門が制定する。2021年1月1日より、毎年保険料率を0.5%ずつ2024年1月1日まで順次引き上げ、2024年1月1日に全省の企業負担保険料率を、16%に統一する。すなわち、2021年1月1日より14.5%に、2022年1月1日より15%に、2023年1月1日より15.5%に、2024年1月1日より16%に引き上げる。

三、納付基数の上限・下限の調整について
2019年5月1日以降、機関事業単位の養老保険及び企業の従業員養老保険の納付基数の上限を、前年度の全省都市従業員平均給与の300%に、機関事業単位の養老保険の基数下限を、全省都市従業員平均給与の60%に調整・変更する。この執行時間は、養老保険費の所属期間に対応するものとする。

本方案は、2019年5月1日から執行し、有効期間は5年である。

3. NAC名南の分析

税及び社会保険の企業負担軽減策を順次発表・実施する中で、養老保険についてはこの4月に養老保険料率の企業負担を元の20%から16%に軽減し、全国で異なっている料率を今後統一する旨の発表が国務院よりなされていた。一方、中国全土の省・自治区・直轄市等の中で、突出して潤沢な養老保険基金残高を持つ広東省では、民間企業に対し従来16%以下の企業負担保険料率であったため、今般上記内容の通り、2024年1月1日までの間に段階的に16%まで引き上げられることになった。この点、広東省の企業については、負担増ということになるので注意が必要である。

また、納付基数の上限は、全省都市従業員平均給与の300%に変更されることが明記された。養老保険の納付基数の上限については、これまで、前年度の非私営企業の従業員平均給与に基づき計算されていたが、4月の国務院発表は、これに加え、前年度の私営企業の従業員平均給与も計算対象に算入するよう言及していた。今後、私営企業の従業員平均給与も算入することにより、納付基数の上限が下がることが期待される。

 (2019年5月作成)

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